転職活動を続けていた頃、父親が心配してくれていました。
ある日、父親が以前勤めていた会社へ連絡をしてくれました。
人事部にいたのは、私の中学時代の先輩でした。同じ部活動だった方です。
履歴書と職務経歴書を送ってほしいと言われ、送付しました。
また、購買部や調達部などの募集があることも教えていただきました。
その頃、私はもう一社、別の造船会社も受けていました。
きっかけはサンフラワーでした。
大阪南港で見かけたフェリーを、地元の造船所でも見かけたのです。
「あれはサンフラワーだ」と思いました。
父親はその船について教えてくれました。
旅客船ではなく、物流を支える船であること。
LNG燃料を使い、CO₂削減に取り組んでいること。
トラックドライバー不足への対応として、海上輸送(モーダルシフト)を担っていること。
カーボンニュートラルや新しいエネルギー対応など、社会課題と直結した技術であること。
調べるほどに、造船業は単なる製造業ではなく、社会インフラそのものだと感じるようになりました。
造船所にもそれぞれ特徴があります。
父親が勤めていた会社は、日本でも有数の大手造船会社で、売上規模も約4,000億円あります。
一方で、私が志望した会社は規模こそ違いますが、フェリーや貨物船を中心に建造していました。
人々の生活や物流を支える船です。
また、カーボンニュートラル対応のための設備投資にも積極的で、未来に向けた姿勢にも魅力を感じました。
私はこれまで、
- データ集計・分析
- 業者との打ち合わせ
- 他部署との調整
- 店舗支援
- クレーム対応
- プロジェクト管理
などの業務を経験してきました。
特にプロジェクト管理では、進捗管理や問題の兆候の早期発見、関係者との調整を行ってきました。
心配性な性格もあり、トラブルになりそうな点は早めに共有し、未然に防ぐ動きをしてきました。
募集職種である工程管理や営業アシスタントの業務内容を調べてみると、
これまでの経験と重なる部分が多くありました。
未経験ではありますが、業務を分解してみると、
- 調整力
- 進捗管理
- 情報整理
- 関係者との連携
といった点で活かせる部分が多いと感じました。
転職活動を通じて学んだのは、
「できない理由を探すのではなく、経験との共通点を探すこと」
でした。
ただ、それでも最後に問われるのはスキルではありませんでした。
それは動機でした。
自分はどう生きたいのか。
なぜその会社なのか。
なぜ地元なのか。
なぜ今なのか。
焦りから応募を重ねた時期もありました。
とにかく内定が欲しい。
早く決めたい。
そんな気持ちもありました。
しかし、焦って選んだとしても、きっと後悔すると思いました。
だったら、人生をかけて勝負しよう。
たとえ結果がどうであっても、自分で納得できる選択をしよう。
そう思いました。
面接では正直に話しました。
「地元の海が好きなんです」
と。
今思えば、変わった志望動機だったかもしれません。
それでも、それが本音でした。
子どもの頃から見てきた海。
楽しい時も、悩んだ時も、そこにあった海。
その海の近くで暮らし、働きたいと思いました。
結果として、第一志望の会社から内定をいただきました。
内定の連絡をいただいた後、
父親へ報告しました。
中学時代の先輩には、お礼と辞退の連絡をしました。
そして、これまで支えていただいた職場の上司へ、退職の意思を伝えました。
振り返ると、転職活動は仕事探しではありませんでした。
自分探しだったのかもしれません。
何社受けたかでもなく、何回落ちたかでもなく、
一番大切だったのは
「自分はどう生きたいのか」
に向き合うことでした。
そして私の答えは、
地元の海の近くで暮らし、
自分が納得できる仕事を選ぶことでした。

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