在宅勤務を2年ほど続けていた頃、社長から方針の変更が伝えられました。
「在宅勤務は終了し、本社へ週5日出社する」
という内容でした。
たしかに、自分だけ在宅勤務という状況は特別であり、会社としての判断としては理解できるものでした。
これまで柔軟に対応してもらっていたことを考えると、そのこと自体は恵まれていたのだと思います。
ただその時点で、自分の中ではすでに答えは出ていました。
本社に戻るか、地元で転職するか。
どちらを選ぶかは、はっきりしていました。
当時の上長が、社長との間に立って調整してくれていたこともあり、表向きには大きな問題にはなっていませんでした。
しかし、それでも「これ以上迷惑をかけるわけにはいかない」という思いが強くなっていきました。
私は本社勤務になって10年近く経っていました。
その間、上司は何人か変わりました。
最初の頃の上司は、正直に言えば少し独特な方で、仕事の進め方や指導の仕方に戸惑うことも多くありました。
業務の説明が十分にないまま進むこともあり、手探りで覚えていくような環境でした。
組織としても試行錯誤の時期だったのだと思います。
その後の上司のもとでは、プレッシャーの強い環境で働く時期もありました。
結果を求められる一方で、うまくいかない時の負担も大きく、精神的にきつい時期もありました。
正直、出社前に気持ちが重くなることもありました。
それでもなんとか続けてこられたのは、周囲の同僚や環境に支えられていた部分も大きかったと思います。
そして、その後に来た上長が、今の上司でした。
私が退職の意向を伝えた際、当時の状況や家族のことも含めて理解してくださり、人事や社長との間にも入って調整してくれました。
在宅勤務という形を提案してくれたのもその方でした。
そのおかげで、働き方を一度立て直すことができ、結果として父親の体調の変化にも気づくことができました。
もしあの時期がなければ、今とは違う状況になっていたかもしれません。
そう考えると、大きな転機だったと思います。
そして2年が経ち、改めて決断の時が来ました。
「地元で腰を据えて働きたい」
そう伝えました。
その時、上司は少し間を置いてから、
「そうか、困るな。でもわかった」
それだけを言ってくれました。
それ以上は何も言われませんでした。
これまでの仕事人生を振り返ると、つらい時期もありました。
ただ最後の数年は、周囲の人に恵まれた時間でもありました。
支えられながら働けたことに、感謝しています。


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