地元の海が好きです。
都会に出て働くようになってから、
コンビニにあった雑誌で地元の海の写真を見ることがありました。
その瞬間、
少しだけ心が震えた。
若いころは、
田舎が少し恥ずかしかった。
出身地を聞かれると、
地元ではなく、
近くの少し大きな都市の名前を答えていた。
「何もない町」
そう思っていた。
40代になった。
ある日、
地元の海の写真を見た。
その瞬間、
なぜか心が動いた。
海も山もある町を、
「何もない町」だと思っていた。
でも、
恥ずかしかったのは、
この町じゃなかった。
この町を恥ずかしいと思っていた、
自分自身だった。
最近は、
地元へ帰省することが増えた。
年末、
電車を待っていると、
つい周りの人を見てしまう。
この列は、
地元を思う人たちの列なんだと思った。
なぜか、
みんな少し優しい顔をしていた。
昔の自分も、
きっとこんな顔をしていたのかもしれない。
都会に出たからこそ、
分かったことがある。
地元は、
「何もない場所」じゃなかった。
ただ、
若かった自分には、
まだそれが見えていなかっただけなんだと思う。


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